2016/05/09



フェイスブックページ https://www.facebook.com/Sodokusya/ にも掲載済み


無料お試しレッスンご案内 

「音づくり」がそのままインプット法



 素読舎の英語の練習に、文まるごとを繰り返し言い続け、言い回しや語法を口の動きとして、「癖にしてしまう」やり方があります。癖にしてしまわなければ、使い物にならないからです。

 素読舎の「音づくり」のレッスンの手順は以下のようなものです。

 ゆつくり、ていねいに、つなげる  →  安定させる  →   口の動きを起こす(立体化)→  もっとつなげる  →  立体化と両立 → compact →  more compact → 《compact後半》

  途中、個々の音の直し、リエゾン、子音と子音のぶつかり合いの処理を扱い、文まるごとを同じ調子で繰り返し言い続けます。ほとんどの生徒さんが、生まれてから一度も動かしたことのないような口の動かし方を味わいます。2ヶ月か3ヶ月で、英語の音の繊維がはっきり聞こえるようになったという感想をよくお聞きします。
 この音づくりの手順が、どれほどの起爆力を持っているのかは、最終段階の 《compact後半》をやりとげた人だけが知ることができます。そこに宝が眠っています。

 単に音を直すだけのことさえ、ほとんどの学校の授業も塾もやっていません。素読舎では、個々の音を直すのは当たり前のことで、その先があります。音の立体化と連続性の両立です。これは英検一級、通訳ガイド資格を持つ人、高校の英語教師などを教えてきてみつけた日本人の発音の最大の問題点です。これは外人教師には扱うことができないものです。途中から、きつい練習になりますので、根性無しやつべこべの多い人は最初からやらない方がいいと思います。しかし、なぜ、そんなきついことをやるのでしょうか。日本在住のままで英語をしゃべり出す人は100人に1人いるかいないかというくらいのものですが、素読舎は普通の人がしゃべり出すことを最初からねらっているからです。学校や塾がやっている「使えない英語の再生産」を断ち切りたいからです。すでにしゃべれる人の音を直すこともしますが、まったくの初心者や小学生の生徒のレッスンもしています。むしろ、初心者用に手厚いレッスン方法が整えられています。
 中級者になると、私が「8語の壁」と呼んできたものにぶつかります。8語というのは、8つの単語でできている文のことですが、長年英語のレッスンを続けてきて、多くの人が、このあたりにある見えない壁にぶちあたり、なかなか越えられないでいるということがわかっています。「8語の壁」は、中級者が中級後半に入る頃に現れます。
 「音づくり」では、文まるごとを自分の口を動かして何度でも繰り返し言い続けるのですが、その時に、音(口の動き)がまともであること、同じ調子でいくらでも繰り返せること、口の動きに立体性を備えること、音の弛みや緩みを取りコンパクトなものにすることなどを全部やると、8語の文あたりで厚い壁が現れるのです。この壁を越えないと、15語以上の文を口にしたときに、ぼわぼわした何を言っているのかわからないような英語音になってしまいます。相手にはストレスになり、自分でも音に自信が持てなくなります。

 手順の最終段階、《compact後半》に宝が眠っています。インプットした文がアウトプット用に転じるのです。

 《compact後半》は、まともな音で、立体性を犠牲にせず、いくら口をぶん回しても、びくともしない安定性を実現する段階です。こうして口の動きの感覚でインプットされたものは、そうそう忘れることがありません。アウトプット用の文の原型として保存されます。文の量をかせいでおいて英語圏に渡れば、すぐになめらかな英語が芽吹きます。

 素読舎のレッスンを2ヶ月か3ヶ月、無料でお試しいただけます。スカイプか電話を使った一対一のレッスンです。「音づくり」と「文法の感覚化」を行います。ただし、レッスン枠に空きがある時に限らせていただきます。

 「音づくり」と同じく重要なものが、語や語法とイメージの一体化ですが、スペースがありませんので触れることができません。お問い合わせいただけばお話できます。

 長野県千曲市鋳物師屋642-3 素読舎 根石吉久 PHONE 090-4181-5912

2016/04/29

2016/04/28



チラシ作成顛末記(おじいちゃんも・・・)



  一昨日長野、上田方面へポスティングするためのチラシを作った。町の印刷屋に頼んで、B4裏表に印刷したものを1万枚作る予定だった。
 うちのプリンターはA4までしか刷れないので、「パーソナル編集長」でA4設定で作ったものを、ローソンでB4に拡大コピーした。
 今日の昼、ガストのうまくないランチを食ってから東孔社へ。見たこともない人がいた。昔から顔を知っている人に、B4裏表、墨のみ、紙70キロでいくらかと聞いたら、見たこともない人が値段を計算機で計算し始めた。紙代だけで8万円だとのこと。冗談はよしこさんだ。55キロよりは少し厚いコピー用紙が綿半やD2で500枚500円程度だ。1枚1円前後で買える。いくら紙屋から仕入れる紙が高くても、いくら70キロの紙だとしても、ただの上質紙が1枚8円もするもんか。紀州の色上質を使ったって1枚3円か4円てもんだ。実は俺は知っているんだ。70キロのただの上質紙ならB4で1枚2円程度が紙屋から仕入れる値段だってことを。印刷屋でそれを一挙に4倍にされてはたまったものではない。紙を持ち込むことを言おうかと思ったが、製版代や印刷代を聞く気になれなくなり、版下を返してもらって木下印刷へ。留守。ああ、修さんがいたわと思い、車を戸倉へ走らせる。紙代は予想通り。製版は紙版でやるとのこと。5000枚で版を取り替えるからハンコは4枚。製版代は1枚3000円とのこと。これも予想通り。しかし製版代を入れた印刷代が4万円とのこと。うーむ。無理だ。B4のレーザープリンタを買おうかとヤマダ電機へ。メーカーはキャノンを指定して店員にカタログを見てもらったが、B4のレーザープリンタというものはないことが判明した。A3なら4万円代であるとのこと。A3なんてサイズを刷ることはまずない。今持っているA4のレーザープリンタでなんとかすることを考えなおす。
 帰宅。B4裏表へ収めるつもりだった文字データの量をA4片面に収められるようバッサリと切り捨てた。それで、自分のレーザープリンタで刷ってみたら、まあいいかというものになった。
 夜、iPhone でチラシの写真を撮り、フェイスブックに掲載し、チラシの文字データ分を「パーソナル編集長」からコピーペースト。
 以下に、フェイスブックから、文字データ部分だけをコピーペーストする。

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おじいちゃんも英語が使えない。お父さんも英語が使えない。
 
     僕も使えるようにならないんだろうか?


 使えるようにならない公算が大きい。スピードラーニングもNHKの語学番組も学校も塾も英会話学校も全部駄目。何を使っても、使う側に文法をどうするか、音をどうするか、単語をイメージと一体化するにはどうするかという問題意識がなければ、何を使っても全部駄目。なんとなくテスト勉強をし、なんとなく受験をし、なんとなく英会話学校を使っても駄目。みんなその程度のことはやった。そしてものにならなかった。

 今日、昔からの友達が家に遊びに来て英語の話になりました。「何やったって、まずたいてい駄目だよ。日本の英語はみんな死んじまう。商売人どもが、うまいコマーシャルを作るだけで、実質部分は全部嘘だ。」そう言ったら、友達はきょとんとしていました。

 素読舎は40年以上にわたって英語の塾を続け、ようやくレッスン方法を完成しました。素読舎のレッスン方法を、お父さんやお母さんに使ってみて欲しいと思い、「お試しレッスン」を作りました。2ヶ月か3ヶ月、無料で使えます。感想をお聞きする以外には何の義務も生じません。学校や塾や英会話学校はどこもやっていないが、これは必要なことじゃないかと思ったらお子さんに奨めて下さい。

 レッスンを受けていただけば、次の3つのポイントがどれほど重要なことなのかがおわかりになります。

1.まともな音でインプットする。
2.文法を感覚化する。
3.単語をイメージと合体させる。(日本語の単語とのセットではなく)

 3つのうち、どれが欠けても使える英語はできません。この3つの条件を満たさないものは、どんな立派なコマーシャルを流していてもまともなものではありません。学校でも一般の進学用の塾でも英会話学校でもやらないけど、「これは絶対にやる必要があることじゃないか」と思われたなら、ご自分のお子さんに素読舎のレッスンを奨めて下さい。素読舎は小学生でも文法を扱います。高学年の小学生はいくらでも文法を理解します。最初は素読だけですが、やがて絶えず「使う文法」として扱います。知識的な理解は必要ですが、そこにとどまっては駄目です。文法は「使う」ことが必要です。日本には文法を「使うためのレッスン」がどこにもないのです。

 スピードラーニングその他が「聴くだけで英語が使えるようになる」と言っていますが真っ赤な嘘です。外国語の文法理解は、文を生成させる元になるものです。その元が学習や練習で、「聴くだけ」でできることはありえません。

 中級以後で英単語を日本語の単語とセットにして覚えている人がたくさんいます。英単語を見たり、その単語の音を聴いたりした時に、まず日本語が意識に浮かんでしまうと英語は使えるようになりません。英単語とイメージが緊密に合体しなければ駄目です。
 また、まともな音で練習しないと、使いものにならない英語ができます。いわゆる「一流大学出の使えない英語」です。労力と時間とお金が最終的に無駄になります。素読舎はちゃんと考える少数の人を相手にするしかありません。

 「種のまま持たせる」。「生きている種として持たせる」。それが、素読舎が主張し続けてきたことですが、なかなか理解していただけません。子供の日本語を損なわず、しかも英語圏に渡ればすぐに芽を出す状態にすることは日本在住のままでできます。

続きはネットで。「素読舎 英語 語学論」で検索すれば全文をお読み頂けます。

お問い合わせは携帯電話にお願いいたします。
長野県千曲市鋳物師屋642-3  素読舎 根石吉久
  PHONE 090-4181-5912

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 以上がA4一枚の片面に収まるようにした記事である。
 以下、最初にB4両面印刷しようとした記事の文字データ。
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おじいちゃんも英語が使えない。お父さんも英語が使えない。
 
僕も使えるようにならないんだろうか?


 素読舎は40年以上にわたって英語だけの塾を続けてきました。頻繁に新しい実験をやったので、経営的に苦しい状態を続けてきましたが、ようやくレッスン方法が完成しました。現在、通塾部門を廃し、(携帯)電話や「スカイプ」を使った一対一のレッスンをしています。結局一対一でなければできないなというものができてしまったわけです。

  今日、昔からの友達が家に遊びに来て英語の話になりました。「何やったって、まずたいてい駄目だよ。日本の英語はみんな死んじまう。商売人どもが、うまいコマーシャルを作るだけで、実質部分が全部シイナだ。」そう言ったら、友達はきょとんとしていました。このチラシをお読みのあなたはどうでしょうか。

 40年以上かけて完成した素読舎のレッスン方法を、お子さんをお持ちのお父さんかお母さんに使ってみて欲しいと思っています。2ヶ月か3ヶ月、無料で行います。感想をお聞きする以外に何の義務も生じません。
 なぜお父さんやお母さんに使ってみて欲しいのかと言いますと、日本人のほとんどが英語学習の失敗者になってしまうことを食い止める力がこの方法にはあるからです。

 子供にどんな英語のレッスンを受けさせるのかをよく考え、レッスンを選ぶ責任は親にあります。

 なんとなく塾に行き、なんとなくテスト勉強をし、受験をした場合、「おじいちゃんも英語が使えない、お父さんも英語が使えない、僕も英語が使えないようになるんだろうか?」という問に対して、「使えないようになる確率が高い」と答えざるをえません。
 スピードラーニングもNHKの語学番組も学校も塾も英会話学校も駄目です。どんなものを使うにせよ、使う側に文法をどうするか、音をどうするか、単語をイメージと一体化するにはどうするのかというような問題意識がなければ、これらは全部駄目です。

 問題意識を持っていただくために、素読舎の「無料お試しレッスン」があります。レッスンを受けていただけば、次の3つのポイントがどれほど重要なことなのかがおわかりになります。

1.まともな音でインプットする。
2.文法を感覚化する。
3.単語をイメージと合体させる。(日本語の単語とのセットではなく)

 この3つのうち、どれが欠けても使える英語はできません。3については、素読舎はやり方を説明し、量は学習者本人にかせいでもらいます。1と2は学校でもやろうとすればできます。しかしやっていません。

 よく素読舎の生徒さんが言うことに、「こんなことは学校で言われたことがない」とか、「学校ではこんなことはやらない」というものがあります。学校や塾でやらないから素読舎が特殊なのではありません。素読舎は、やって当然のことをみつけだしやっているだけです。やって当然のことをやらない学校や塾や英会話学校が特殊なのです。3つの条件を満たさないものは、どんな立派なコマーシャルをしていてもまともなものではありません。
 学校でも一般の進学用の塾でも英会話学校でもやらないけど、「これは絶対にやる必要があることじゃないか」と思われたなら、ご自分のお子さんに素読舎のレッスンを奨めていただきたいと思います。まわりくどいですが、お父さんやお母さんにも素読舎のレッスンがどういうものであるかを知っていただいた上で、子供さんに使ってもらいたいと考えています。「お試し」をやっていただいても感想をお聞きする以外の義務は何も生じません。

 素読舎は小学生にも文法の説明をします。最初は素読だけですが、やがて知識的な理解を成立させ、そこにとどまらず、絶えず「使う文法」として扱います。知識的な理解は絶対に必要ですが、そこにとどまっては駄目なのです。(学校はテスト勉強をやらせ、途中でとどまる文法を常態にしてしまいました。)
 文法は、感覚化し、反応を引き起こすレベルになるまで「使う」ことが必要です。英語圏に住むのでなく、日本に住むのですから、「生活で使う」のではなく、「練習で使う」のです。
 素読舎で育つ力も、実は「種」の状態ですが、それでいいのです。そのことを素読舎は、「積極的に種のまま持たせろ」と言ってきました。
 文法が知識にとどまったら「種」でさえありません。それは「シイナ」です。理解したレベルにとどまってはいけないのです。練習で使い、文を生成させるために「絶えず使うこと」が必要です。

 確か「スピード・ラーニング」は「聴くだけで英語が使えるようになる」と言っていたと思います。そんなことは金輪際起こるはずがありません。「文法の感覚化」ということ一つをきちんと考えるだけでその嘘がわかります。
 外国語の文法理解は、文を生成させる元になるものです。その元が「聴くだけ」でできるのは、1、2歳の幼児が言葉の当事者としてその言語を生きる場合だけです。学習や練習では起こるはずがないことです。文法は絶対にやらなければ駄目ですが、今度は学校や塾が理解しただけの段階にとどめてしまいます。

 感覚化された文法だけが、日本語で育った人の中に英文を生成させます。

 「スピード・ラーニング」は、どうして「聴くだけ」で文法の感覚化が成立するのか、説明できるものなら説明してみるがいい。嘘ばっかり言ってるんじゃねえよ。日本語で暮らしている日本人が、英語の文法の理解とその瞬時化、感覚化を抜かして、何が意識に英文を生成させるというのか。学校も説明できるものなら説明せよ。なぜ、文法理解を理解の段階にとどめているのか。

 子供英会話などに通わせても効果が見られないのは、小学生に適した文法を扱う方法を知らないからです。英語をやるなら小学生でも文法をやる必要があります。また、小学校高学年くらいに「種のまま」持たせた英語は、まったく害がありません。使う場所がないまま芽を出させたら害があります。

 一歳、二歳の幼児が問題です。この年齢の幼児を英語漬けにすれば間違いなく英語の人間になります。これは、その後日本で成長していく過程で大きな障害になる可能性があります。障害となった事例をすでに耳にするようになりました。実例を知りたければ、お電話下さい。お話します。

 3についてですが、初心者はともかく、中級以後でも英単語を日本語の単語とセットにして覚えている人がたくさんいます。これも「種」になりません。英単語はイメージと一体化し、日本語を脱ぎ捨てていなければなりません。そのレベルで覚えたとき、「種」ができます。
 英単語を見たり、その単語の音を聴いたりした時に、まず日本語が意識に浮かんでしまうと、英語は使えるようにならないのです。英単語とイメージが緊密に合体していて、英単語を見たり、その音を聴いたりすると、意識にイメージが浮かぶのでなければ駄目です。いくら大量に単語を覚えても、「話す・聞く」では使いものになりません。

 また、まともな音で練習しないと、いくら多くの文や単語を覚えても、使ってみたら使えないという英語ができます。いわゆる「一流大学出の使えない英語」です。元の元になる「音」が違っているので、使えない英語になってしまうのです。労力と時間とお金が最終的に無駄になります。知識量は莫大なものを持っているのに、使ってみると使えないというものができてしまいます。

 ちゃんとした「種」を作り、「種のまま持たせる」。「生きている種として持たせる」。それが、素読舎が主張し続けてきたことですが、なかなか理解していただけません。子供の日本語を損なわず、しかも英語圏に渡ればすぐに芽を出す状態にすることは日本在住のままでできます。これが日本語で暮らしながら英語を持つ場合の最良の方法です。

 学校や塾が作り出す「しいな」ではないこと。英語の「磁場」の磁力を浴びれば、ただちにいっせいに芽を出す「種」を持ち続けること。それをやっている途中で、日本在住のままでも話し始めることができます。これは単にあいさつができる程度のことを言っているのではありません。話が始まった後、話が続いていくレベルの力のことを言っています。大学生くらいの年齢でそれが起こればいいのです。これが日本の子供が持つ価値のある英語の基礎です。

 始めるのは、小学4年生5年生(高学年)がベストです。

・週一回30分、月額12000円がレッスン代金ですが、まずは無料でお試し下さい。
・「スカイプ」あるいは電話(携帯電話)を使ったレッスンです。一対一のぜいたくなレッスンです。
・曜日と時間帯を決めていただき、素読舎が電話代を負担してレッスン致します。
・レッスンに空き枠がある時とない時があります。お問い合わせは以下の携帯電話にお願いいたします。

 長野県千曲市鋳物師屋642-3
 素読舎 根石吉久
 PHONE 090-4181-5912

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ああ、疲れた。
これから、これを元にして、B4裏表に印刷する予定だったものを、再度フェイスブックに掲載する。

2016/01/01

縮約版「書きながら言いながら思う」

イメージが核を備えるための初動を与える
 



 「書きながら、言いながら、思う」というのは、語学で「単語を覚える」時にやるべきことを、そのまま練習の名前にしたものである。

 この練習は「まともな音でインプット」をするための下準備になる。

 「書きながら」で、手の動きの中にイメージを溶かし込み、綴りという「文字の塊」とイメージを一体化する。

 「言いながら」で、語の一連の音とイメージを一体化する。

 「思う」というのは、綴りや音と一体化すべきイメージを思うことである。

 何かを思うから、言葉が動くという場合の「何か」をイメージと名付けたのだと言ってもいいが、語学の練習におけるイメージは濃密なものである。
 「イメージの核」が備われば、濃密なイメージではなく、イメージの核そのものが動くようになる。これは軽く素早く動く。英語でしゃべれるというのは、「イメージの核」が動くということである。

 濃密なイメージの段階もあれば、軽くすばやく動く「イメージの核」の段階もある。
 濃密なイメージを作り、それを変容させ、「イメージの核」を備える必要がある。

 「単語を覚える」ということの実質がどういうことであるべきかに自覚的な人は少ない。

 以下に、apple という単語を覚える場合を例にする。

 「書きながら言いながら思う」では、apple を紙に書きながら音を言うのだが、音を発音する速度は、書く速度に従う。自分の手が書く時に、生じてくる文字の動きと同時化させて発音する。

 手が動く方が口が動くのより遅いから、「言う」スピードは抑え気味になる。手がなめらかに動くようになるに従って、口の動きもなめらかになっていく。

 何回書くのかは決まっていない。それに対しては、ソロバンの例え話がいい。
 ソロバンの上手な人は、次は人差し指だとか、次は薬指だとか、指の動きをいちいち意識することはない。指が勝手に動き、数をはじき出してしまう。指が勝手に動くこと、自動的に動くというところまで練習することが大事であり回数が大事なのではない。
 「書きながら」では、a の次は p だなどと意識するのではなく、apple という文字を、「自動的になめらかに」書けるようになるまで書く。

 やっていることは、「書く」だけではなく、「書きながら言いながら思う」なので、「言う」ことも「思う」ことも繰り返される。

 「書く」に合わせて「言う」ことには違和感はないかもしれないが、「書く」に合わせて「思う」には違和感を持つ人が多いかもしれない。とりわけ、「同じこと」を「思う」ということに違和感を持つ人が多いのではないか。しかし、ここが重要なポイントである。

 「思う」というのは「イメージする」ということなのだが、例えば、appleという文字を「書きながら言いながら思う」ときに、同じイメージを何度も思うことになる。これが大事なポイントなのである。

 それは語学特有の意識の使い方なのである。自分に対して、同じイメージを意識に繰り返し出現させる。しかも強制的に出現させるということは、他では見られないおかしなことであり、馬鹿みたいなことである。この馬鹿みたいなことをちゃんとやるかやらないかで、語学の成否は決まると言っても過言ではない。

 apple という文字に対応させるべき「イメージ」は、初心者は、日本語の「語のイメージ」であっても「語が表すもののイメージ」であっても構わない。「りんご」という「語のイメージ」でも、「りんご」という日本語の単語が喚起する「赤い、丸い、酸っぱい、果物」のイメージでも構わない。

 誤差が含まれることは構わない。誤差が含まれるかどうかより、誤差を含んでいようがいまいが、それが「イメージであるかどうか」が一番大事なことである。

 「イメージ」の代わりに、いつまでも「語そのもの」を使う間違いを無数の人が冒している。「語そのもの」と「語が喚起するもの」が区別されていない。

 肝腎なことは apple に「『りんご』という語そのもの」を対置し記憶しただけで済ませてはならないことである。これは、いくら強調してもしすぎることはない。この「間違い」を冒している人が多い。英語がものにならないとボヤいている人のほとんどすべてがそうではないかと思うくらいに、この「間違い」が多い。

 apple という英単語と「りんご」という日本語の単語を、「単語のまま両方覚える」ということから抜け出さないのである。

 これをやった場合、apple を見たり聴いたりしたときに、意識に「りんご」という日本語単語が出てきてしまう。その日本語単語からイメージが生じるという順番になってしまう。これをやっている限り、「しゃべる」ことはできない。英語のリズムで「読む」こともできない。
 apple からじかにイメージが生じないと駄目なのである。じかにイメージが生じるためには、apple(という語そのもの)とそのイメージが一体化されていなければならない。日本語の「語そのもの」は不要になっていなければならない。

 最初は、「りんご」という日本語の「語そのもの」を apple という英単語(語そのもの)に重ね合わせるのでも構わないのだが、それは最初だけである。「書きながら言いながら思う」をやっている途中から、「りんご」という「語のイメージ」か、想像上の「りんごというもの」を思い浮かべて、「書きながら言いながら思う」という体の動きの全体に溶かしこむ必要がある。溶かし込んで一体化する必要がある。

 熱を加えて「ごった煮」にするんだと思っても構わない。手の動き、口の動きにイメージを溶かし込むことが心の動きになり、手の動きの感覚、口の動きの感覚、心の感覚が全部一つの鍋(一人の人間)の中で「ごった煮」になる。

 「ごった煮」がよく出来たかどうかは、apple という音を聞いた瞬間にイメージが意識に生じるかどうか、apple というスペリングを見た瞬間にイメージが意識に生じるかどうかでわかる。
 大事なのは、あくまでもイメージが浮かぶかどうかであって、「りんご」という日本語の単語が浮かぶかどうかではない。イメージではなく日本語の単語が浮かぶのでは、「ごった煮」はまだ煮足りないのだということである。

 日本在住のまま英語をしゃべりだすようになるかどうかは、英単語を覚える時に使う日本語の単語の扱い方で決まる。
 日本語の単語からイメージを独立させ、英単語と合体させる。日本語単語が要らなくなるまで、イメージを英単語に移して植える。英単語から直接にイメージが生じるようになるまで、しっかりと合体させるのである。そのプロセスの全体が「書きながら言いながら思う」なのである。

 英単語である apple のイメージが、「りんご」という日本語から得られたもので本当にいいのかどうかという問題がある。

 いいのだと私は断言する。

 日本在住の普通の日本人、つまり日常的に日本語で暮らしている人たちは、日本語の語からイメージを得ることから始めるので当然なのである。とりわけ初心者や中級者は、それ以外に、「ごった煮」を煮詰める方法はない。

 要点は、イメージは変容するということにある。

 「書きながら言いながら思う」の「思う」において、同じイメージを何度でも思うのだと書いたが、実はこの時に、手の動きがなめらかになればなるほど、口の動きがなめらかになればなるほど、あるいは正確になればなるほど、イメージは音やスペリングと一体化し、少しずつ変容する。

 「書きながら言いながら思う」のプロセスの中でもイメージは変容するし、いったんその単語を覚えてしまった後に、いろいろな別の文で同じ単語に出会うことによっても、イメージは変容する。変容を重ねることで、英単語としての「語のイメージの核」が備わっていく。

 語学という行為は「語のイメージの核」が備わるまで語のイメージを変容させ続けることであるとも言える。

 だから、心配することはない。最初は日本語の単語から得たイメージを英単語と合体させることで構わないのである。日本語から得たイメージであることを心配するより、語を「語そのもの」のままに放っておかずに、片っ端からイメージにし、英単語に確実に移植することが重要なことである。
 熱を加えて「ごった煮」を煮込み、その後、放置すれば上澄みが得られる。エキスはその上澄みに含まれている。底に沈んだものの多くは、濃密なイメージに含まれていた夾雑物である。

 もっとも純化されたエキスが、「イメージの核」である。「書きながら言いながら思う」という練習は、イメージに核が備わるまでの動きに初動を与える練習なのである。

 結果から見ればそう言うことができる。
 練習の過程では、英単語とイメージを一体化することに専念するのでいい。