2014/09/17

音づくりのコーチ法

素読舎の掲示板「大風呂敷」に、「音づくり」について小川さんが書かれた記事を元に、根石が手を入れて再掲載した。
以下に、「大風呂敷」の記事を転写し、「音づくり」と「コーチ法」の元に格納する。
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小川さん

  投稿者:根石吉久  投稿日:2014年 9月 9日(火)00時17分27秒


音作りのコーチ法



1.

「音を先に行かせる」:まず音だけに集中させる。


  「音作り」は文まるごとを一単位とする。
 リエイゾン (音のつながり)・エリジョン (黙音)・アシミレイション(音の同化)の処理、リズム・イントネーションまでまで含めた「音の連続」で扱う。

 音や発音に気を取られていれば意味など考えていられず、意味に気を取られていれば音がおろそかになる。この「音とイメージの二律背反」を克服するために、まず文まるごとの音全体を完成させてしまう。途中、個々の音を直したりしながら、文まるごとの音がなめらかにはっきりと言える状態に持ち込む。(いずれ、音と意味は合体させなければならないが、語学ではそれを別々に扱うことができる。語学の言語が当初「死物」であるからである。)


2.

 英語用の口の筋肉を作る:生徒の激しい口の動きを作り出す。


  同じ調子で繰り返すのと、「同じ調子で繰り返すことが出来る」とは違う。ただ言ってるだけの音は緩んだ音であり、はっきり否定する。
 口を大きめに使い、動きに少し力を入れている。初めは「ゆっくりていねいに」でいいが、ある程度は音を「つなげる」。その間、音(口の動き)をゆるめない。

 音が正確であるかどうかということと同等、あるいはそれ以上に大事なのが、強くはっきりした音を作ること。

 口の筋肉に英語用のバネを作る。
  音がネイティブ音に近いかどうか、上手かどうかということより、日本人にとっては、英語の音が弱いことが問題である。(日本語は音が平板で、省エネ型。英語はエネルギー多消費型)。日本語で育った人には、英語用の口の筋肉のバネは本来備わっていない。
 バネを作らなければ、実際の場では使い物にならない。あるいは非常に聞きにくい音ができてしまう。
 実際に英語を使う場面では、練習の場で作った音の強さ(明瞭さ)は半分から半分以下になる。実際に使う場面では、音になど気を使っていられない。(文法になど気を使っていられないのと同じ)。

1) 口を大きめに使って引き締める。ゆっくりていねいに。ただし「つなげる」。
    速すぎず、遅すぎない速度(自分にとって「普通」の速度)をよく探す。

2) 「ゆるめない」で繰り返し言い続けると、口の動きがふっと軽くなる時が来る。
   動きやすくなった口の動きを上手につかまえて「それに乗る」。
   (サーファーが波をつかまえて波に「乗る」ようにという比喩を常時使うが、コーチによって別
    の比喩を思いつけばそれを使ってよい。)

3) 動きやすくなった口の動きを「ゆるめない」。(波に乗り続ける)

 この1)~3)をきちんとやるだけで、音はワンランク上の音になる。


3.

 技法グラウンド:コーチが1回言った文を生徒が5回~数十回繰り返す方法。


 指示は、技法グラウンドという「動態」の中で「モデル音とともに、ポンと置いてやる」。音を出すコツの指示は手短かであることが必要。コーチの側は指示方法が、ただちに口に出せるのでなければならない。メモを参照するのではできない。必要なときにただちに口に出せるように、素読して身体化させておく。


4.

「あいうえおフォニックスと10のポイント」(まず最低これだけは押さえるべきポイント)


 「技法グラウンド」という「動態」の中で意味を持つ。単に読んで理解するための羅列ではない。

 1)「あいうえおフォニックス」 の説明法

 生徒に字と字の間をあけて、ローマ字で「あ い う え お」を書かせる。
 そのそれぞれに、r をつけさせる。
 「あいうえおフォニックス」は、<日本人の耳にアーと聞こえる音に関して>のものであるという前提を言う。

 ar, ir, ur, er, or

 ar の上にもう一つ ar を書かせる。

 ar
 ar, ir, ur, er, or

 ar が二つあるのは、そこにアクセントがある場合とない場合があるから
 ar にアクセントがあれば「顎の下がる明るいアー」(歯医者のアー)
 ar, ir, ur, er, or に含まれる ar はアクセントのない ar
 ar, ir, ur, er, or は「狭いアー」
 a i u e o に r を付けたのは日本語の母音に r をつけたもの
 母音プラス r ということでは、ear も仲間
 ar, ir, ur, er, or に ear も追加する

 ar, ir, ur, er, or, ear

 er の順序が逆になった re も日本人の耳に「アー」と聞こえるなら「狭いアー」
 英語の re は母音の後に re がついたものであり、音の正体は er と同じ
                      ( where, here, picture, pleasure など)
 er と re が音としては正体が同じなので、er の下に re を追加

 ar, ir, ur, er, or, ear
              re

 アクセントのある ar も表記すると、

 ar
 ar, ir, ur, er, or, ear
              re


2) 個々の音 10のポイント

th
 歯で舌を挟み、引っ込めながら歯と舌をこする。そのこすれる音。

f, v
 上の歯を下唇の山の頂点より少し内側に押しあて、息で離す。

t,d,l,n
 舌を上の歯茎の裏につける。
 t と d は舌が歯茎から離れるときの音。
 l と n は舌が歯茎にくっついている間の音。

r
 舌を喉の方にひっぱり、上の方に触らない。

s
歯と歯茎の境目あたり。触るか触らないかくらい。狭い隙間に息を通す。

S (long s) 舌の位置は s と同じ。違いは唇を丸めて突き出すこと。

逆さe・逆さv
  両方とも「狭いア」。
  単独の逆さe にはアクセントが来ない。
  逆さv にはアクセントが来る。

逆さe
  唇を狭く、力を入れないで、「ア」を言う。
  英語ネイティヴ(英語で育った人)は口の中で舌を持ち上げて息の狭い通り道をつくる。
  それができる人はそれでいい。
  要領がわからない人は、息の出口(唇の開き)を狭めて、「狭い」音の感覚をつかむ。
  「狭い音」はまず「狭さ」の感覚をつかむのが大事。
  感覚がつかまえられないといつまでたっても発音できない。
  感覚がわかると、そのうちに自然に舌を持ち上げて出せるようになる。

a
  歯と歯を開く。(下顎を下げる)
  舌が口の中で浮いているときれいに出ない。
  舌を下の歯の裏側に付けたまま顎を下げるときれいに出る。

ae
  口の両端を斜め上にひっぱり上げる。一瞬般若(一瞬、般若の顔になれ)

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(明日朝が早いので、以下については、改めて書きます)

黙音・連結・母音削除



空き枠情報を書き換えました。

2014年9月17日現在の空き枠

2014/08/12

「つなげる」より「ゆるめない」の方がいい

(掲示板「大風呂敷」から転写 2014年8月11日)



小川さん


 「音づくり」の指示方法に変更があります。

1.ゆっくりていねいに繰り返す。(口を大きめに使って引き締める)
2.口の動きを浅くしないで、つなげる。
3.ぶん回す。(限度までつなげる)

 この指示方法を初心者や中級の生徒に使ってみて、どうもうまくいかないという感触がありました。「1」はほぼこのままで使えるのですが、「2」がうまくいかないのです。「3」はもともとレッスンで扱える方法ではなく、生徒が自分で一人でやる練習に取り入れてもらうものです。レッスンでは上級者以外には使いません。(大森さんには多用しましたが、もともと一人でやる練習用ですから、今はレッスン中には言いません。「家で一人でやる練習でぶん回してください」とは言います。)

 これまでの指示方法は、今後は中級後半から上級者用のものとして位置づけます。

 最近、「ゆるめない」という指示を使い始めたところ、これが非常に多くの生徒に有効だということがわかりました。大森さんにでさえ、「つなげる」や「ぶん回す」を言わずに、「ゆるめない」と言っています。上級者はもちろんですが、初心者にも使えます。

 これまでの「1」「2」「3」のうちの「1」だけを丁寧にやると、初心者用の指示方法ができます。

<初心者用>
1.口を大きめに使って引き締める。速すぎず、遅すぎない速度(自分にとって「普通」の速度)をよく探す。ある程度は最初から「つなげる」。

2.ある程度つなげて、「ゆるめない」で繰り返すと、口の動きがふっと軽くなる時が来る。動きやすくなった口の動きを上手につかまえて「それに乗る」。(サーファーが波をつかまえて波に「乗る」ようにという比喩を常時使いますが、コーチによって別の比喩を思いつけばそれを使っていただいて結構です。)

3.動きやすくなった口の動きを「ゆるめない」で維持する。(波に乗り続ける)

 これだけで、ワンランク上の音ができます。

 ほとんどの生徒のレッスンで、従来の「口の動きを浅くしないで、つなげる」のうち、「つなげる」をチェックしなくなりました。(上級者用に位置づけました。)
 初心者用の「2」にも「3」にも、「ゆるめない」があります。ですので、「ゆるめない」という指示は、常時出します。ゆるんだ瞬間に、すぐに「ゆるめない」と言います。

 しかし、この初心者用の指示でも、「2」と「3」はレッスンで行うことではなく、生徒が自分で一人で行うための練習です。「2」と「3」に関しては、生徒に伝え、自分でやるように指示します。

 レッスンで使う指示だけを取り出せば、
 
1.口を大きめに使って引き締める。速すぎず、遅すぎない速度(自分にとって「普通」の速度)をよく探す。ある程度は最初から「つなげる」。

2.ある程度つなげて、「ゆるめない」で繰り返す。

 これだけです。
 しかし、生徒に伝えるべきことを伝えられるかどうかは、コーチが語学論を内在させているかどうかで決まります。コーチをやる場合に、これが最大の問題です。

 従来の指示方法を再度書きます。

<中級後半・上級者用>
1.ゆっくりていねいに繰り返す。(口を大きめに使って引き締める)
2.口の動きを浅くしないで、つなげる。
3.ぶん回す。(限度までつなげる)

 ここには、エッセンスがほとんど含まれています。
 特に「2」には二律背反が含まれています。
 「ゆるめない」ということを文字通りやれば、音は自然につながってきますので、「つなげる」という指示はあまり出さなくなりましたが、「口の動きを浅くしない」という指示は多用しています。これは、初心者用の「音づくり」のプロセスでもしょっちゅう使っています。

 つまり、初心者用であろうが上級者用であろうが、日本人の英語の音の練習には、「浅くしない」「ゆるめない」ということは非常に汎用性があるということです。

 言葉で書くと、こうも長たらしくなりますが、「つなげる」よりも「ゆるめない」の方がいいと思ったことが指示方法変更の元にあるだけです。

2014/08/10

素読舎のレッスンに適する人

  • いいかげんな小学校の英語でなく、きちんとした基礎を身につけたい小学生(4年生・5年生・6年生)
  • 学習法や自分の英語の質に不安がある中学生、高校生
  • 英検3級に合格したい中学生
  • 英検準2級、2級、準1級に合格したい高校生
  • 高校以後、1級に合格したい人
  • 学校英語、受験英語の後、自分の英語を「使う英語」にまで育てる決意を持つ人
  • 英語圏に留学して帰国したが、日本語だけ使っていると英語が急激に錆びつくことに自覚のある人
  • 日本で準備をしっかりやらないまま英語圏に渡り、いつまでたってもコミュニケーションがとれないままでいる人
  • 海外に出張回数の多い人
  • 日本在住のまま英検の1級、2級に合格したが、その後練習を放置したため英語を錆び付かせてしまった人
  • 自分で英語の練習をして、子供に英語学習への意欲を持たせたい人
  • 発音に自信のない英語の先生
  • 塾をやっているが、間違った発音を生徒に植え付けていることに不安をもつ人

「音づくり」をやり続けた塾

 素読舎の「音づくり」は、単語の発音を扱うものではありません。練習の当初から、いきなり「文まるごと」で音づくりをします。「音づくり」がそのまま、文 のインプットを継続することになります。
 素読舎は発足当初から、「音づくり」をやり続けてきました。これは、学校の英語、受験用の塾の英語からすっぽり抜け落ちているものです。
 だから、学校の英語と受験塾の英語は後で「使えない」ものになるのです。
 素読舎は、学校英語(受験英語)と「使うための英語」を統合する方法を持っています。これは、他で求めても得られることのない特色です。